藤川の測定室日記 38
長野県軽井沢町の天然きのこから、3000ベクレルを
超える高い放射能を検出した件の続報です。
木曜日の朝に長野県庁の担当者に電話をして私たち
が検出した放射能について伝えました。林業担当の
方は、数値の異常さに驚き、詳しい状況を聞かれまし
た。しかし私が取材したところでもこのキノコを採取し
た全員が東京の人なので、詳しい場所については報
告できませんでした。それでも調布ラボの分析結果表
と、クロスチェックした世田谷CRMSのゲルマ機での
分析結果を送信して見てもらいましたので、十分に今
回の放射能検出の件の重大性を理解してくれたと思
います。すぐに軽井沢町と連絡をとって対処するとい
ってくれました。数時間後に電話があり、軽井沢町との
協議で、高放射能キノコの発生場所をつきとめて注意
喚起を強めていくことを約束してくれました。
ちなみに、長野県は私たちが「ホテイシメジ」で計測し
た184Bqの小海町、「ショーゲンジ」で計測した3046Bq
の軽井沢町の両方で、以前から食品衛生法での100
Bq超えキノコの存在を確認しており、天然きのこの採
取・出荷の自粛を要請しています。それを知らずに東
京から出かけた観光客が天然キノコを持ち帰ってしま
ったのが、今回の「事件」です。東京での注意喚起が
求められていると思います。これから最大限の広報
活動をしていきたいと思います。
調布ラボ計測が3900Bq、世田谷のゲルマ機では、
3046Bqと、差が出たのは「試料」が200gで、足りなか
ったためです。容器を満たすことができない場合は、
計測した放射能をコンピューターがこのように過大
評価した数値で表すことが普通なのだそうです。ち
なみに今回の件では、3046Bqのショーゲンジを煮
付けにして大量に保存していた人がいて、それを危
険だといって没収して計測したのですが、煮てその
煮汁をかなり捨てた状態でも、1560Bqありました。
これは私たちのNAI測定システムにおいても十分な
試料の量がありましたので、正確な数値だと自信が
あります。
煮てもこの数値というのは、恐ろしいです。
★★★★★★★★★★★
misatoya@jca.apc.org
http://www.misatoya.net
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2012年10月27日
藤川の測定室日記 38
posted by ちょうふラボ at 23:39| Comment(1)
| 日記
この記事へのコメント
こちらの記事を拝見して1年近くなりますが、県からも町からもこの件に関しては広報されていないようです。先日、長野県に別件で問い合わせしたところ、採取自粛要請がすでに出ている自治体の野生きのこについては改めて調査・検査や更なる自粛要請を出す予定がないとの回答がありました。住民には自粛要請がでていることすら知らなかったり、年月がたったのでもう大丈夫と思われている方も多いなかで、周知徹底がなされていない現状に大きな不安を感じます。
Posted by R-DAN佐久・放射能測定室 桑原倫子 at 2013年10月02日 07:43
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